近鉄特急のさくらライナーに乗って、奈良県吉野郡吉野町にある吉野山を訪ねてきました。
吉野山は、大峰山脈を経て熊野本宮へと続く大峯奥駈道の北の入り口にあたり、金峯山寺を中心とした社寺が点在する地域の広域名称です。
この日は近鉄吉野駅近くにある吉野ロープウェイが運休のため、吉野駅から金峯山寺までの道のりを散策してきました。
途中の参道には、上の写真のオドリコソウやカキドオシが沢山咲いています。
所々にクサイチゴの花も咲いていました。
白い小さな花は、この時期お花屋さんで目にするシャクです。花が開く前の茎や葉は山菜として食用にされるそうです。
かわいい顔をした小さな甲虫はウリハムシです。ウリ科の植物の葉を好んで食べるのでそう呼ばれるみたいです。人間にとっては害虫ですが、愛嬌のある姿で良いモデルさんになってくれるので、草むらを見かけるとついつい探してしまいます。
ムラサキ色の花はツルニチニチ草です。
小さな丸い葉をつけた植物はマメヅタです。丸い葉は栄養葉で、光合成を行い水分を蓄えたり胞子をつくる働きをします。細長いツクシみたいなのは胞子葉で、茶色いソーラスの中には胞子が詰まっています。
ミヤマオダマギの花も咲いていました。
日当たりの良い斜面には、沢山のムラサキサギゴケやシャガの花が咲いています。
山菜の天ぷらに出てくるユキノシタです。6月頃になるとダイモンジソウとよく似た小さい花を咲かせます。
奥に見える立派な建物は、役小角を開祖とする修験道の根本道場、金峯山寺です。ご本尊は蔵王権現様です。
金峯山寺を訪ねると、運よく秘仏本尊特別公開の時期に当たり、金剛蔵王大権現三尊のお姿を拝見することができました。
さらに順路を進んでいくと、蔵王権現様の御前には心の内を打ち明け懺悔する「発露の間」が設けられています。相撲のマス席のように個別に仕切られており、ゆっくりとお参りすることができました。
お参りを済ませ、名物の豆腐料理を頂き、さくらライナーのデラックスカーに乗って大阪に帰ってくるとびっくり。とても不思議なご利益を2つも体験することができました。