須磨一の谷

此谷、長さ四丁餘、横二十間、谷口より波打際まで六十四間餘。二の谷に至るの間、二丁四十間餘をへだてて、礆砠の地なり。是、古戦場にして名高く、人よく知る所なり。

今から凡そ二百年前の江戸時代後期、庶民の間で旅行ブームが起こりました。これは、文化元年に発行された江戸時代の旅行ガイドブック「播州名所巡覧図絵」に紹介された一文です。

一の谷

挿絵の左上に書かれているのは芭蕉の句で、「ほととぎす消行かたや嶋一つ」と書かれています。

一の谷

旅人が往来する海岸沿いの松林の中には茶屋があり、旅人が笠を脱ぎ床几に腰掛けて休んでいる姿が描かれています。

一の谷

又、松林に囲まれた街道筋の左側にはお客を乗せた駕籠屋が描かれており、この辺りの街道は旅人で賑わっていたことがわかります。

こちらは須磨の浦と題された挿絵です。街道沿いには「たるミ」「塩や」「一の谷」と書かれており、山中に目をやると「鉢ふせ」「あつもり」「鉄かい峯」「すま寺」「ひよどりこえ」「月見松」等と書かれています。

海上に目をやると、挿絵中央から左側に漁師が刺し網漁をしている様子が描かれており、海岸からは沖に向かって出発する帆掛船が描かれていることがわかります。

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